小澤征爾が復活公演で、ブラ1を振っているのがニュースで何度も流れていました。
私にとっては小澤征爾といえばブラ1です。中学生のころにサイトウキネンのドキュメンタリーを見て、感動したのが忘れられません。あんなにきれいな弦の音は聴いたことがない、と思ったのを覚えています。ブラームスは、昔だと1番が好きでしたが、最近は3番かもしれない。2番は明るくて少し気恥ずかしい、と思っていました。ブラームスは暗鬱な北ドイツを思い起こさせるものでないと、などと。でも、歳を重ねると徐々に受容できてくるものなのですね。
歌曲ばかり聴いているシリーズ、今日も元気に聞いています。たまたまですがヘンデル「リナルド」の「Lascia Ch’io Pianga」が連続して流れてきました。シャッフルモードなので、何が出てくるか分からないのです。最初は森麻季、次にプティボン。プティボンの声は中低音が充実していて、心温まります。そうか、だが、この方は悪女的だったんだ。心温まっている場合ではないのかもしれない。
で、なんと、今日で1005曲終了。全部集中して聴けたわけじゃないですが、すごく楽しかった。良い勉強になりました。
ラ・フロシキー箴言録「人に見放されるのも苦しいが、人を見放すのもまた苦しいものである」
ビスマルクの言葉「賢者は歴史に学び、愚者は経験でしか学ばない」
小澤征爾復活
女王は誰?
先日から、いまさらのように観ていた、ウィーン国立歌劇場の芸術総監督であるイオアン・ホレンダー氏のフェアウェル・ガラですが、昨日ようやく見終わりました。いやあ、本当に面白かったです。
後半のハイライトは、ネトレプコが歌うマスネの「マノン」からのアリアである「私が女王様のように路を行けば」。
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私は、「マノン」を通しで聞いたことはありませんでしたが、この曲は知っていました。「若さの特権を行使しよう。人生の一度の二十歳なのだから」という、なんだか今から思うと、ほろ苦い感覚もある歌詞ですが、まあそれはそれはネトレプコの巧さはすごいです。もっとも、映像つきなので、ネトレプコの美貌にだまされているのかもしれませんが。ネトレプコは少々太ったのではないかと思います。子供も生まれたようですし。
この曲、後ろで歌っている男声合唱が効果的です。だらしないマノン信奉者たちがマノンに媚びへつらっているという図式が見て取れるのですから。同じ男性としてはすこし情けない気分にもなりますけれど。
そういえば、2004年の夏に浜松まで出かけてネトレプコを聴きに行ったことがありました。小澤征爾音楽塾で、ネトレプコはムゼッタを歌っていましたのですね。当時は、深く憂いを帯びた声がすばらしいと思いましたが、ムゼッタのワルツだけじゃ物足りなかったです。あのころに比べると、今は比べ物にならないぐらいの世界的名声を勝ち得ています。実演に触れるためにはいまや一万円札が何枚も必要になりそうです。
今、iPodに入っているる歌曲アルバムを全曲聴く、というプロジェクトを進めていますが、プティボンが「マノン」の同じアリアを歌っている音源も聴きました。
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ネトレプコがあでやかな美しさ、ある種健康的な美しさであるのに対して、プティボンは、凄みのある美しさで、近づいたものを焼き尽くすような力を感じました。魔性の女的な。いや、魔性の女以上。こういうのを悪女というのか、という感じです。
歌曲のトラックを聴き倒す一週間
私のiPodに入っている、クラシック系ヴォーカル曲をシャッフルして聴いています。極めて受動的な聞き方で、後ろめたさもあるのですが、普段聞かない音源にもたまには目を向けてみようということで。
全部で1005曲あって、気が遠くなりそうですが、興味深いトラックがいくつもあって、楽しいです。印象深い歌い手さんは、プティボンとパヴァロッティ。月並みですが。オッターやガランチャもすばらしい。
プティボンは変幻自在な声を出します。あるときはこまっしゃくれた小娘のような、少し媚びのある声だし、あるときは深く情熱的な激しい声を出したり。一度実演を聞いてみたいです。
フォーレの歌曲集も、なんだかアンニュイな感じで、心地いい。フランス語分かりませんが、今からでもがんばるかなあ。。。これ、分かるようになると、人生が光り輝きそうです。
あとは、三大テナーも何曲か聞きましたが、甘い歌声のドミンゴ、麗しきパバロッティ、情熱のカレーラス、といったところでしょうか。ドミンゴもこのころはまだ声が太くてかっこいい。しかし、パヴァロッティのポップスはあらゆる意味で面白い。
それから、マーラーの歌曲も良いですねえ。亡き子をしのぶ歌、さすらう若人の歌は、マーラーの交響曲群の外伝的な位置づけで、めちゃくちゃカッコイイし、興味深いし、感動的。
ブラームスの歌曲は聴いていて安心してしまいます。安心しすぎてすこし物足りなささえ感じる。ブラームス狂いだった時期もあったので、ある種の懐かしさ。心が和みます。
まだ500曲ほどしか聞いていないので、まだまだ隠れたお宝がたくさんでてくるはず。あと一週間はかかりそうです。
ジェフリー・テイトのハフナー
東京も寒い。でも台風が来ている。なにかおかしい。
体重が急激に減ったんですが、なんのことはない。おそらくは筋肉がおちたのだと思います。この一ヶ月ほど、土日も消耗していたので、ジムに行けなかったのが敗因。あんなに鍛えたのに残念。レグプレス120キロ、再びできるようになるのはいつかなあ。
相変わらずカラヤンのモーツァルトが面白くて、今日もずっと聴いていました。飽きもせず繰り返し繰り返し。
私は、EMIからでているテイトのモーツァルト交響曲ボックスを持っていて、こちらのハフナー、リンツも大好きです、ハフナーはカラヤンよりも端正でおとなしい。テンポも少し抑えめですが、音量のダイナミズムはテイトのほうが際だっています。さすがに編成が少ないだけあって、カラヤンの音源より音圧は少ないけれど、その分聞きやすいです。
この音源も思い出深いです。辛いときに引きずり出してくれたいろいろな「もの」の一つなのです。ありがとう。
カラヤンの「ドン・ジョヴァンニ」のライナーを見ると、チェンバロは若き日のテイトだったりして、テイトがカラヤンにも使われていたのだ、と認識を新たにしたのを覚えています。テイトは、ブーレーズともリングのプロジェクトで一緒に働いたことがあるはず。
カミさんは夕方にバレエを見に出かけましたが、駅と会場が離れているので、雨合羽を着込んでいきました。私はこれから英語を話しに行って、やっと週末のオフに入ります。今晩もたっぷり眠れますように。
続 カラヤンのプラハが素晴らしい!
今日もカラヤンのモーツァルト。35番と36番を繰り返し。ヴァイオリンのテヌートが際立っていて、優雅さが引き立っています。録音良好。リヴァーヴ感もすばらしい。ベルリン・イエス・キリスト教会にて1970年の録音。
考えてみれば、カラヤン&ベルリンフィル&ベルリン・イエス・キリスト教会の組み合わせは、私の音楽体験の原点です。小さいころ、グラモフォンのカセットテープを飽きるほど聴いておりましたから。だから、この音質に安心してしまうのでしょう。でも、テヌート感は今週初めて感じた気がしていました。
でも? と思い、私のブログを見てみると、同じことを三年半前に感じているらしい。変わらないわたくし。
“https://museum.projectmnh.com/2007/05/22205042.php":https://museum.projectmnh.com/2007/05/22205042.php
でも、三年も経って、同じことを感じていると言うことは、勘違いでもなさそう。
ラヴ、カラヤン。
36番は、ずいぶんと速いぞ。アスリート的。でも、美しい。体操選手の床競技みたいな。
カラヤンのプラハが素晴らしい!
久々にモーツァルトの交響曲を。
38番「プラハ」と39番。
なんだか心が洗われた感じ。ここ数ヶ月味わったことのない静かで確かな心の動きを感じました。私の音楽が聴いている音楽の量は極めて少ないので、焦燥感とともになるべくオペラを聴こう、と管弦楽曲をなるべく聴かないようにしていましたが、今日はたまたまです。
言わずもがなですが、モーツァルトは偉大です。演奏はカラヤン。なんだか弦のフレージングがテヌート気味なのに気づいて、すごく新鮮です。音の切れ目を感じさせず、十分に音価を引き伸ばしている。録音場所のリヴァーヴ感とあいまって、天から落ちてきたかのよう。もちろん、ベルリン・イエス・キリスト教会で、1970年9月の録音。
ヨーロッパの建築でよくあるドーム型天井に描かれたフレスコ画の微細ながらも柔らかいタッチを思い出します。抜けるような淡い水色の空と綿のような雲、それから踊る天使達の姿。
欧州に飛んでいきたいですが、残念ながらかなわぬ夢。欧州文化の偉大さなんだが、後ろに控えている尊大さや残酷さをしばし忘れさせてくれる。美しいものは、あらゆるものを踏みにじって表出しているという過酷な現実を、ほんの少しだけ忘れることができました。
ケンペ/シュトラウス 組曲「町人貴族」
いやあ、シュトラウスって、本当に素敵です。
組曲「町人貴族」を、ケンペ指揮にて。
もともとは、「町人貴族」は、「ナクソス島のアリアドネ」を劇中に含む作品として発表されました。1912年のシュトゥットガルトにて。シュトラウスの指揮によって初演されましたが、「ナクソス島のアリアドネ」の後半部分にあたる、劇中劇の部分が荒唐無稽と言うことで、不評の内に終わりました。あの、アリアドネとツェルビネッタのかみ合わない感じが、今ひとつだったのでしょう。
というわけで、シュトラウスは、劇中劇の「ナクソス島のアリアドネ」の前半に新しく曲をつけて、これを「ナクソス島のアリアドネ」第二版ということで、発表しました。これは、成功裏に終わり、現在も上演されているのは申すまでもありません。
一方で、「ナクソス島のアリアドネ」の部分を除いた「町人貴族」の部分は、劇付随音楽として1917年に補筆改訂されました。さらに、そこから9曲を抜き出したのが、今日、私が聴いている組曲「町人貴族」というわけです。
この曲、当然ですが「ナクソス島のアリアドネ」と響きが同じ。それは、ピアノも加わる小編成のオケの洒脱な感じ。ですが、シュトラウスの複雑で玄妙な和声の波をも楽しめるもの。極端に美しさに偏ることなく、ユーモアやウィットに富んだ軽妙な音楽です。
この曲を集中的に聴いたのは初めてかも。お恥ずかしい。今日聴いているのはケンペがシュターツカペレ・ドレスデンを振っているものですが、ラトルがベルリンフィルを振った音源も持っていますので、そちらも聴いてみましょう。
久々に、シュトラウスの音楽を新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。まだまだ、聴いていない曲はたくさんあるからなあ。がんばろう。
Proms な一日
あづい。。。
だが、午後からは暗雲が犇めいている。夜には一雨来るようです。涼しいなら、何でも良いです。
今日はPromsな一日でした。Last Nightは、昨日だったようですが、おそらくはNHKで放送されると思いますので、それ以外の演奏を。
ジャナンドレア・ノセダ
まずは、ジャナンドレア・ノセダがBBCフィルハーモニックを振った演奏会。BBCフィルハーモニックはマンチェスターのオケで、まずはシューベルト「未完成」、シューマンのピアノ協奏曲第一番第一楽章を。
っつうか、シューマンを弾いたFinghin Collins、1977年生まれの33歳なんですが、もたる感じがジャズに聴こえてならないのです。さすがに若いだけあって、やること違うなあ。
それから、面白かったのが、シューマンの「女王メアリー・ステュアートの詩」のオケ編曲版。編曲はRobin Holloway。これ、シューマンっぽくなく、ものすごく現代的にアレンジされているので、聴き始めは違和感を覚えたのですが、いやいや、これはこれでなかなか面白い。
あとは、モツ40。スマートな演奏で、あれ、ここってスラーでやるんだ、みたいな新鮮な部分が何カ所かありました。
Promsの観客は、楽章ごとに拍手しますねえ。あとは、実況中継がワイドショー的で面白い。
ステファヌ・ドヌーヴ
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルオーケストラをステファヌ・ドヌーヴの指揮にて。ジェイムス・マクミランの「サクリファイス」から「Three Interludes」。
偉くカッコイイですねえ。幼き頃、ただひたすらカッコイイクラシック音楽を求めていましたが、あの頃聴けば卒倒するぐらい感動したんだろうな。今も大好きですが。
「サクリファイス」は2007年に発表されたオペラで、ウェールズ神話を元にしたオペラらしい。マクミランはスコットランドの作曲家で、スコットランド議会の292年ぶりの再開がなった1999年の議会開会式の女王入場ファンファーレを作曲しているらしい。それをフランス人のドヌーヴが選ぶというのもなんだか歴史的背景も相まって興味深いです。
次は大好きな「ローマの松」ですねえ。いやあ、快速テンポが実に気持ちがよい。レスピーギ・ラヴ。ローマに行ったときに、レスピーギの名前が刻まれた聖堂に入ったけれど、あまりに多くの聖堂を訪れたこともあって記憶が定かではないのですが、ちゃんといわれを調べておくんだった。また行きたいが、しばらく無理だろうなあ。やっぱり、「アッピア街道の松」が大好き。観衆があまりに熱狂的で驚きます。きっと、いつもは音楽を聴かない方も来ているんじゃないかなあ。だって、悲鳴にも似た歓声ですから。
おまけ
どれみふぁ・ワンダーランドをみたんですが、この番組もちゃんと観ると面白いです。ワグネル・ソサイエティーが「宇宙戦艦ヤマト」を演奏してました。
気づいたこと──楽器やめちゃいけなかったんだ。。。
英語の勉強で、天才たちと趣味の関係について書いた記事を読んでいました。ノーベル賞受賞者のほとんどが、趣味を持っていて、絵を描いたり、楽器を弾いたりしていたらしい。
で、自分が楽器をやめたことと、頭の回り具合を比べてみると、なんだか、楽器をやめた途端に、呆けてきた気がしてならない。
やっぱり、やめちゃいけなかったんだなあ。。。
頭の回転と楽器演奏って、相関関係があるんじゃなかろうか。
昔読んだ本にもあったなあ。ピアノをやってた高校生が、学業に励もうとピアノをやめた途端に成績が落ちたっていう話。
再開したいのですが、アンブシェアを鍛え直さなければならないので、しばらくはEWIでアンブシェアを鍛えることにします。しばらくはスクウェアでも吹きまくろうかなあ。
あるいは、シュトラウスのオペラを吹いて自己満足に耽るとか。なにか新しい発見があるやもしれない。
最近の楽しみなどなど
私が飛行機好きだと言うことは、以前にも一回だけ書いたことがあるかもしれませんが、このブログではあまり書かないようにしています。
で、私のカミさんが、2003年にキムタクが主演した「Good Luck」の再放送を録画してくれていて、大変感謝。コクピット風景は、ちょっと、というところですが、2003年にあれだけ再現しているのは凄いことかも。ANAの塗装も旧仕様で、CAの制服も古いバージョンで時代を感じさせます。キムタクもまだ若いですね。
今日で仕事はおしまいで、明日は花火大会に出かける予定。
そうそう、明日の夜は、バイエルン放送協会でパルジファルが放送されます。
“http://www.br-online.de/br/jsp/global/funktion/programmvorschau/programmfahne.jsp;jsessionid=IKLRNXAJKPBBKCSBUKSCM4Q?datum=07.08.2010&programm=B4":http://www.br-online.de/br/jsp/global/funktion/programmvorschau/programmfahne.jsp;jsessionid=IKLRNXAJKPBBKCSBUKSCM4Q?datum=07.08.2010&programm=B4
それから、ザルツブルク音楽祭の「ルル」をプティボンがうたっているものがORFにて登場します。これは必聴かも。録音失敗しないといいのですけれど。
“http://oe1.orf.at/programm/tag/20100807":http://oe1.orf.at/programm/tag/20100807