Opera,Richard Strauss

いや、この奇想曲が訳語だというカプリッチョという名前がついた楽曲はいくつもありますが、私の場合、このリヒャルト・シュトラウスのオペラ《カプリッチョ》が最初に思いつきます。

こちらの録音。

Capriccio

Capriccio

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Capriccio

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Karl Bohm
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本当に洒脱で素晴らしいオペラです。2回ほど実演に触れつつ、METライブビューイングでも見ました。

ああー、それにしてもオペラを見たいです。難しい状況。

今日も結局遅くまで仕事場にて。年度末になるとさすがに仕事が増えます。特に、スタッフ系だとなおさら事務仕事が増えます。

というわけで、実は日付が回って書いていますが、遡求更新することに。。みなさま、よい週末をお過ごしください。

 

Opera,Richard Strauss

昨日から聞いているサヴァリッシュの《エレクトラ》。

この複雑な音響こそ、ロマン派の終着点の一つなのではないか、と思いました。ただ、その後、シュトラウスはもう一つの終着点である《カプリッチョ》にもたどり着くのですが。《エレクトラ》が全てを取り込む重厚長大な終着点であるのに対して、《カプリッチョ》は粋のような抑制があります。何か、戦うことに疲れた老兵のような。シュトラウスのそういうところが大好きです。天才の手遊びのような。マーラーが長生きしたらやはりそうなったんだろうか、なんてことを思ったり。

Strauss: Elektra
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Wolfgang Sawallisch
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私が《エレクトラ》で一番好きなのは、の最初の方のエレクトラの妹のクリュソテミスが歌うところ。あそこは、歌っていることが人間として真っ当なことなので、このおどろおどろしい世界の中で唯一美しいと思うのです。確か、母親になりたい、といったようなことを歌っていたはずです。人間らしいものが美しい、か。ですが、世界はおそらくは、そこ以外の《エレクトラ》みたいなんでしょうね、きっと。

そうだ。エレクトラのことを最初に意識したのは、デュトワがN響を演奏会形式でやったときのことを聞いたからでした。こちらに当時の模様をレポートしてくださっている方の文章がありました、そうか。2003年のことでしたか。。もっと前かと思いました。

ところで、昨今思うのは、置いていかれる感覚。これって、まあ、健全な感覚なんだと思います。そうでないと、人間進歩がありません。やりたいことたくさん。でも24時間。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

Opera,Richard Strauss

ザビーネ・マイアのことを調べているうちに、Apple Musicでなぜかシュトラウスの《影のない女》を聴いてしまい、いや、本当にいい曲だわ、と。

Die Frau Ohne Schatten
Die Frau Ohne Schatten

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シュトラウスは本当に素晴らしい。

サヴァリッシュ盤だと、ルネ・コロの皇帝が聞けるんですね。シノポリ盤やショルティ盤とは違う味わいです。それから、結構重い演奏だったというのも驚きでした。のっけから、長大で驚いてしまいました。

サヴァリッシュって、今から10年ほど前に、ミュンヘンでシュトラウスの全オペラ公演をやっていたはず。と思いましたが、記憶違いで、1988年のことのようです。

http://www.sueddeutsche.de/muenchen/bayerische-staatsoper-dirigent-und-pianist-sawallisch-ist-tot-1.1607986

https://www.staatsoper.de/staatsoper/geschichte/bayerische-staatsoper.html

こちらの音源の発売は1988年となっています。おそらくは、このミュンヘンでの全オペラ公演と関連したものなんだと思われます。

http://www.allmusic.com/album/richard-strauss-die-frau-ohne-schatten-mw0001966009/releases

いろいろ調べてみると、こんな記事が。どうやら、当時の音楽評論のようです。中盤部分に《影のない女》についての記載がありますが、皇帝はRobert Schunkが歌っていたようで、ルネ・コロではないようです。こちらによれば、サヴァリッシュの指揮は、力強く、色彩豊かで、ドラマティックで響き渡るような感覚をもたらすものだったようです。

http://articles.chicagotribune.com/1988-07-21/features/8801160527_1_guntram-wolfgang-sawallisch-frau

というわけで、しばしミュンヘンのことを思い出したりして。。バイエルン州立歌劇場での「利口な女狐の物語」と「ボエーム」のセッティング風景です。

IMG_0111

東京地方は、急に寒くなりました。いやはや、寒暖の差が激しいですね。日経平均も激しい動きのようです。

では、皆様おやすみなさい。

Opera

うーん、オペラに関する覚書のようなものをこちらに書こうと思ったのですが、完成してから書かないといまいち、みたいな気がしてきまして、今日の予定が狂いました。結構書いたのですが。。

翻って、いろいろ考えてみると、やはり、オペラというのは立派な芸術作品なのだ、ということを改めて思います。またオペラを見に行きたいですね。。

つうか、「無口な女」とか「エジプトのヘレナ」とか、その辺りの良いんだけど、あまり演奏機会がないオペラを聴きたいっすね。いや、見たいっすね。。まだまだ刺激的なものはたくさんあるはず。

OperaBaseで調べてみると、やってるわ。。ベルリンで。。「ダナエの愛」とか「カプリッチョ」も随分やっているんだなあ。。良いなあ、ヨーロッパは。。

今日はこちら。このねっとりとしたトリスタンは素晴らしい。

Tristan Und Isolde

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それではみなさま、おやすみなさい。良い夢を。グーテナハト。

NNTT:新国立劇場,Opera

Photo

冬の晴れ間というのは本当に気持ちが良いものです。狂ったように日を浴びたい今日この頃。とはいえ、つれづれしか書けない今日この頃。

とある仕事が入ってしまい、仕事場への電車でそれをやらなければならないなどいくばくかの自由がなくなりつつあるような状況です。あと数ヶ月は続く見込み。まあ、仕事なので仕方がない。うまくいくとも限らない。そういうものではありますが、まあやるだけやってみないとね、という感じかも。

そんな中で、新国立劇場の来シーズンのラインナップが発表されました。

  • ワルキューレ
  • ラ・ボエーム
  • セビリアの理髪師
  • カルメン
  • 蝶々夫人
  • ルチア
  • オテロ
  • フィガロの結婚
  • ジークフリート

新制作は三つ。《ルチア》が新国立劇場オリジナル制作でしょうか。アベノミクスで景気が良くなったと言われているようですが、さすがにここには補助金増額で新制作が増える、ということはないのでしょうかね。文化庁が東京から京都に移転するという状況も何か示唆しているような気もしないでもありませんが。。

あとはブリュンヒルデ。イレーネ・テオリンが《ワルキューレ》で登板。これは前回2010年の《ジークフリート》と《神々の黄昏》の続きなんですが、《ジークフリート》では、リカルダ・メルベートに交代なんですね。

さらに、驚いたことに、リヒャルト・シュトラウスのオペラが消えるという状態に。これは残念。これは昨今なかったんじゃないでしょうか。必ず毎年1演目はシュトラウスのオペラがあった気がします。

しかし、変わるものはどんどん変わるということなんだなあ、と思います。そこに合わせていかないと、ということです。

さて、帰宅時にはこちらを。パルジファルは、別格な音楽なんだろうなあ、と思います。そんな中でiCloudミュージックライブラリの問題点のようなものに気付いたり。そちらはまた明日以降書こうと思います。

Parsifal
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ではみなさま、おやすみなさい。

Opera,Richard Wagner

Tristan Und Isolde

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なんか、急に重い《トリスタンとイゾルデ》を聴きたくなりました。重くて甘いのはバーンスタイン盤ですが、あいにくApple music で聴くことができないので、別の思い演奏を、と思い、バレンボイム盤を。

そういえば、私、バレンボイムの来日公演で《トリスタン》を聴いているんですが、あまり記憶がないわけでして、覚えているのは、ルネ・パぺの素晴らしいマルケ王のことばかりでした。ひたすらに、NHKホールのSprawl な会場のシートに身を沈め、聴いたのですが、それはそれは体調が悪かったなあ、と…。

ワーグナーは聴く人の体調を要求するなあ、と。誰しもが思うことですが、あれは修行に他ならないです。

でこの演奏もやはり、重い。フルボトルの重く濃密なワイン。酒石の結晶を含んだ濃厚なワインのような。この演奏、多分、聴きすぎると二日酔いするほどのもの。その場は甘美だか、少しずつ少しずつ、高揚と引き換えに理性を奪われ身体を明け渡していく。そんな感じ。危険。それが、人間の本性だとしたら、極めて危険。だが、そうだからこそ、この曲は、後世を二日酔いにして、まだ、そこから醒さない。酔った男は数多。

そんな演奏に思います。

ただ、こうした音楽に対する感想というものは、どうしても主観的で、必ずしもわかりあうことができないものなのではないか、という疑いを感じずに入られません。定量化のできない、まさに個々人に取っても主観的な判断であり、その時々の体調によっても左右されるような、そんなゆらぎはかない判断を書くことに何の意味があるのでか。確かに、反省的に考えると、バレンボイムが重い、というのはもしかすると私の臆見かもしれません。バレンボイムの弟子であるエティンガーの降った《こうもり》の重さの記憶があるからです。

ですが、それにしても、さらに演奏に耳をすますと、このテンポの緩め方は本当に重厚なものです。ひどく重い感覚を呼び起こすのです。まるで、足かせをはめて歩くような。ですがこの重みこそ、何か重いものを持ち上げたり、あるいは重いものの上に横たわったりするときに感じる安心感のようなものをさえ感じるわけです。それは恍惚としたもののような高揚で、繰り返すのも憚られるものの、それでも繰り返すとすれば、それは、明らかに静かで深く重い酩酊でしょう。深く重い酩酊。そのまま眠りにつけば、そこで命を奪われるような。

なんか変な感じになってしまいましたが、つまるところすごい演奏でした、ということです。しばらく《トリスタン》を色々聴き比べてみたいなあ、と思いました。

酔って書いているわけではありませんが、長々とすいません。おやすみなさい。グーテナハトです。

Opera,Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」[2CDs]
ミヒャエル・ヴォッレ クリスティアン・ファン・ホーン ベンジャミン・ブルンス ブルクハルト・ウルリッヒ エリザベート・クルマン バイエルン放送交響楽団 サイモン・ラトル
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現在、新国立劇場では《ラインの黄金》が上演中ですが、理由あり、行けるかどうかわからない状況です。

ですが、そう言っても予習はしておかないと、と思い、Apple Musicで調べたら、あれあれ、こんな音源が。

というか、これって、CDの発売は10月28日ですが、もうApple Musicでは聴けているという。

こちらがハイティンク盤。私の持っている盤とはジャケットが違いますけれど。

Das Rheingold
Das Rheingold

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R. Wagner
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バイエルン放送交響楽団のリングといえば、私の大好きなハイティンク盤があります。本当はこれを聞きたくてApple Musicで探したんですが、ラトル盤が出てきてしまったのです。

こちらです。 → https://itun.es/jp/PhJi-

2015年4月24日から25日に録音。録音場所はヘラクレスザールです。ハイティンク盤と同じ。当然。で、やっぱり音はハイティンク盤ととても似ています。本当にクリアでくっきりとした音響です。これは良い音源です! 明日も聴かないと。

フライアを歌うアンネッテ・ダッシュとか、ファーゾルトのペーター・ローズとか、新国立劇場に登場された方も参加されていて、なんだか新国も世界とつながっているなあ、と思ったり。

でも、ああ、やっぱりワーグナー聴くと落ち着くなあ、と思いました。5年前の東京リングであんなに聴き倒した指環ですので、ほとんど身に染み渡っているような感覚を覚えました。

オペラは実演で聴くのが一番。でも、一度実演を観ておくと、いろいろな音源を聴いても、なんとなく場面が想像できて、音源だけでもかなり楽しめます。

さてさて、今年度も折り返していますが、なんだかやらないといけないこと、やりたいことができずじまいな毎日です。少し前にも書いた気がしますが、何かを変えるためには「時間配分を変える、家を変える、付き合う人を変える」しかないそうです。

で、できることといえば、「時間配分を変える」しかないなあ、と思ったり。ふむふむ。前と同じことを書いている。それで一応実践中ですけれど、どうなることやら。もっと変えたりして。

ではおやすみなさい。グーテナハトです。

Opera,Richard Strauss

Photo

今日も余韻に浸りながらこちらを聴いていました。パンフレットには、《ダナエの愛》は「秘曲」と書いてありましたが、たしかにそうかも。こんなにいい曲が舞台形式では日本初演とは。もったいないです。

今日で東京二期会の公演が終わりましたのでネタバレでも良いですかね。。そして、観た方にしか分からない内容だったりしますが、仕方ないです。

深作健太さんの演出、本当にいろいろな仕掛けがあって面白かったです。

ゼメレ、オイローパ、レダ、アルクメーネの四人ともミダス王のが金に変えたという装飾を持っているのですが、白鳥とか雲とか牛の形をした金色のオブジェを持っているわけです。これは、御存知の通り彼女たちを誘惑した時にユピテルが変身した姿なのですね。

オイローパは牡牛に姿を変えたユピテルに誘惑され、レダは白鳥、アルクメーネは自分に球根していたアムピトリュオーン。ただ、ゼメレは探しましたがよくわかりません。《ダナエの愛》の中では雲だったでしょうか? ですが、雲に姿をかえたのはイオーの時だったという情報もあり。

ともかく、そうしたギリシア神話が取り込まれつつ、昨日も触れたように、この4人はクリムトの文様の服を着て、コミカルな演技をしていました。イケメンモテモテのユピテルは神話の世界よりも楽しそうでしたね。

それにしても、第三幕はいろいろと刺激的な演出でした。えーっと、これは大丈夫? と思うほど。アフタートークでは、「幸い止められなかった」とご本人も言っておられましたが。まあ、こういう心配してしまうというのもなかなか難しい問題ということなんでしょうけれど。

でも、そうした世界のなかにあって、ユピテルとダナエの対話の後に、ダナエが渡した黄金の薔薇が、ユピテルの手で薔薇の花に変わったり、あるいは、ダナエが植えた植木に花が咲いたり、と荒廃した世の中にあって希望が残されているという演出でした。観ていた方の多くが、あの「風の谷のナウシカ」の最終場面で腐海の下で人知れず芽吹いた植物を思い出したのではないでしょうか。

それにしても、面白かったのは一幕で登場し、三幕で本物の薔薇に変わる、あの金の薔薇です。あれは、《ばらの騎士》のパロディのはずで、小さい男の子がでてくるんですが、あれは《ばらの騎士》の小姓なんだろうなあ、と。《ばらの騎士》では銀の薔薇なんですが、《ダナエの愛》は、黄金がモティーフですから、黄金なのです。小さい子が出てくるだけで、会場がドッとわくのはいつものことです。可愛らしい子でした。お母さんにとってもいい思い出になったと思います。

あのユピテル、演出のなかではさすらい人ヴォータンの姿をしていました、私、あれはほとんど権力の権化としか思えず、おそらくは当時の文脈においてはヒトラーなんだろうなあ、と思いました。これは、演出の読み替えで感じたものなのか、あるいはシュトラウスのスコアからそう感じたのかはわかりません。ですが、権力、経済などをダナエが選ばず、というのは、なにか戦時中にあってシュトラウスが考えたことに合致するのでは、とも思ったのです。

ですが、権力と経済を選ばない、というストーリーを考えたのは、シュトラウスやグレゴールなんですが、当然ふたりとも男ですよ。男が考えた女性の選択です。これ、本当かなあ、と。女性は、まずは子どもの安全を考えるのではないか、と。普通なら、権力と経済を選んで、生まれ来る子どもの安全を確保しようとするはずなんですが、どうでしょうか。数ある芸術は、その多くが男性が作ったものですので、そういう視点を汲み取りにくいのではないか、とも思ったり。

というわけで、今日もなにか思いつきをダラダラと書いてしまいましたが、誰かと話している気分で。もっとも、こんなことをダラダラ話すのは、イマイチです。

ではおやすみなさい。グーテナハトです。

Opera,Richard Strauss

すべての写真-2658

上の変な写真になってしまいましたが、行ってきました東京二期会公演の《ダナエの愛》。東京二期会は、意欲的な演目をやりますが、今回は本当に運良く行かせていただいた感じです。

いや、本当に面白かったです。演出も最高だったし、なによりオケが素晴らしかった。歌手の方々も。10年以上前にもやはり同じ団体の別のオペラを東京文化会館で観たことがあったんですが、そのときよりも全体に底上げされている!、と本当に思いました。

今日は短信にとどめますが、深作さんの演出は、シュトラウスが指環へのオマージュとして《ダナエの愛》を書いた、と思わせる演出になっています。神々から人間へ世界が渡される、というテーマを色濃く描く演出で、これはもうほとんど指環の世界観でした。第三幕のユピテルは、全くもってさすらい人ヴォータンでした。シュトラウスのパロディ精神をすくい取っているなあ、と感動です。

演出の深作健太さんのアフタートークも聴きましたが、いや、本当にオペラが好きで演出をやりたくて夢を掴んだ、ということだったようです。

というか本当に面白い演出でした。

<ここからさき、ネタバレ&ご覧になった方しかわからないはずです。すいません>

ざっと、思いついたことを書きなぐってみます。ブログじゃないな、これは。本当なら、誰かと話したいところですが、そういう知り合いがいない。。

演出の深作健太さんが登壇したアフタートークでは、深作さんがコンヴィチュニーに影響を受けているというコメントがあり、それを受けて、今回の公演についても聴衆の質問の中からもコンヴィチュニー的な演出だ、というようなコメントが有りました。たしかに、コンヴィチュニーの《ばらの騎士》など、未来の暗い世界が舞台になっているということもありますし。

最初は、第三幕が急激に現代劇になってしまい、あまりの唐突感に驚いたのですが、劇が進むに連れて、第一幕から第二幕がダナエの夢で、第三幕が現実なのだ、という解釈なのか、というところで、なるほど、と思いました。

クリムトはダナエを題材とした絵を描いています。ミダス王は触れたものを黄金に変えるということで、このオペラのなかに通底する黄金のイメージ。ここから、クリムトの「ダナエ」につながり、クリムトが好んでつかった金のイメージに繋がり、ということで、クリムトのデザインが衣装に採用されていました。これも少しやり過ぎもあったんですが、その衣装を着ているのが4人王女で、彼女らは《トゥーランドット》のピン、ポン、パンのような位置づけですので、そうしたパロディ精神も面白いなあ、と思いました。

で、この四人の王女は、実際には三重唱なんだそうです。四人いるのに。私なりの持論はあるのですが、今回は一旦は伏せておきます。

また、第三幕最後において、ダナエが懐胎しているという読み替えなんですが、この衣装とメイクは完全にボッティチェリの「春」をモチーフにしています。これ、辻邦生の「春の戴冠」においては、懐胎しているシモネッタをモデルに描かれたもの、とされていますので、ここもとてもおもしろかったです。

短信になっていませんが、半分メモ的なエントリー。

で、指揮・オケ最高でした。シュトラウスは本当に素晴らしい。明日ももう少し書くかも。

では、おやすみなさい。グーテナハトです。

Opera,Richard Strauss

Richard Strauss: Die Liebe der Danae
CPO (2004-02-01)
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うーん、いいオペラだなあ、《ダナエの愛》。シュトラウスらしい、濃厚な音楽世界で、時間を忘れますね。折り重なる転調の織り目とか、あるいは華々しい金管の方向とか、深く味わい深いうねるような弦とか、本当にシュトラウスらしい音楽です。

今日、明日、明後日と東京二期会の公演が上野であります。そちらに幸運にも行くことができそうです。私は明日の会です。指揮は準メルクル。楽しみですね。

これが戦争中に作られたということ。1940年6月28日がその完成の日だそうです。そうした意味を考えながら、明日は観に行ってみようと思います。

それにしても、体調を整えていかないと、オペラは理解できませんので、そのあたりも気をつけないと。

それではまた明日。グーテナハトです。