今日は友人の結婚式。表参道の裏にあるフランスレストランにて。このレストランを結婚式で訪れるのは3回目。今回を含めて2回は大学の友人の結婚式。後の1回は自分の結婚式のときだったりして……。
それで、久々に大学の友人二人と会ったのだが、そのうちの一人は、大学をでてからあらためて某大学院の作曲科に入学したという強者。それで彼と音楽の話をいろいろしたんだが、彼が言うには、フォーレって、はずれがないんだそうである。フォーレの曲はすべて出版されているとか。それで、今まではフォーレの楽譜が高かったんだが、最近版権が切れて(おそらく没後80年の2004年から?)安く手に入れることができたのだ、とか……。
同じテーブルには、初めてお会いする方もいらしたのだが、その方はメシアンが好きなのだとか。知らない方とあって、その人がメシアン好きだ、ということになる確率は相当低いと思うのですが……。よくぞ同じテーブルに固まったものだ、と思う。
ちなみに、のだめの劇中曲「おなら体操」が発売される、というネタでも盛り上がりました。
式が終ってから、大学の友人三人と表参道から西麻布方面へてくてくと歩いて、青山墓地に隣接する公園に陣取って、スタバのテイクアウトを飲みながら、アホな話を繰り広げる。
カミングアウトしますが、僕らは哲学科出身なので、話し好きというか議論好きだったりします。まあ、僕は今は単なるサラリーマンなので、なかなかついていけないのだが、音楽における美と醜の対立関係は、商業音楽(ポップスとかジャズね……)に適用することはできない、なんていう話で熱くなったりして……。端から見てかみ合った議論であるかどうかは疑問ですけれど。
あ、結婚式ではサックス吹きました……(無言)。
6月にも後輩の結婚式でもサックスを吹くのですが(これはカルテット)、夜はリハを二時間ばかり。さすがに疲れました。
ガブリエル・フォーレのこと など
ケンペ/リヒャルト・シュトラウス「死と浄化」
今日は、シュトラウス先生の「死と浄化」をケンペ指揮で聴きました。この曲、繰り返し聞けば聴くほど言い曲だと思います。つくられたのは1888年から1889年ですから、若干24歳の作品と言うことになります。この若さでこの曲か……。天才は違いますね。
シュトラウスの管弦楽曲は、小さい頃から少しずつ聴いていましたが、体系だって押さえているわけではないです。これからも頑張って聴きます。
明日、友人の結婚式でサックスを吹きます。曲は「星に願いを」で、5年ほど前にも会社の同僚の結婚式で吹いた曲。5年前は、マイクにリバーヴを宛てて貰って吹いたので気持ちよかったのですが、明日の会場はレストランなので、PAは望めなさそう。いい音が出ると良いなあ、と思います。今日は自宅にてEWIで練習。フレーズの吹き回しや、コーダの部分のインプロヴァイズを確認。きっと上手くいくでしょう。
ちなみに、YOUTUBEでこの曲を検索したら、素敵な映像を見つけました。この曲で、この映像を見ると、本当に涙が出てきますね。ディズニーは偉大だ!
よろしければクリックしてみてください。
山村美紗「都おどり殺人事件」
- 都おどり殺人事件
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- 発売元: 徳間書店
- レーベル: 徳間書店
- スタジオ: 徳間書店
- メーカー: 徳間書店
- 価格: ¥ 580
- 発売日: 2004/01
- 売上ランキング: 351044
訳あって手に取ることになったこの本、勢いよく半分読んでしまいました。
山村美紗さんの小説を読むのは(お恥ずかしながら)初めてなのですが、文章は上品に落ち着いています。主人公は沢木という画家と、舞妓の小菊なんですが、祇園花街の風情がよく伝わってきます。季節によって髪飾りを変えるとか、取引事は真夜中にやってわざと日にちを曖昧にするとか。なるほどなるほど、と言う感じです。トリックは少し奇をてらっているような気もしますが、なかなかよく考えられていて、大きな不自然さは感じないです。早速続きを読むことに致しましょう。
ハーマン・ウォーク「ケイン号の叛乱」
- ケイン号の叛乱
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- アーチスト: ハンフリー・ボガート
- 発売元: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- レーベル: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- スタジオ: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006/08/04
- 売上ランキング: 68043
- おすすめ度
- ケイン号の叛乱
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- 発売元: フジ出版社
- レーベル: フジ出版社
- スタジオ: フジ出版社
- メーカー: フジ出版社
- 発売日: 1984/01
昨日に引き続き、ケイン号の叛乱について。
おれはいまクイーグに同情したい気持で一杯なんだよ。(中略)指揮権ということがどんなものなのか、指揮をとってみてからはじめて納得がいく。こんな孤独 な、こんな重圧を感ずる仕事は、世界中どこを捜したってありはしないよ。当人が牛みたいな鈍物でないかぎり、悪夢みたいなものだ。正確な判断と幸運の細道 をいつまでも行きつもどりつするようなもので、この細道たるや、いつ過ちをしでかすかもしれぬという無限の暗鬱さの中を曲がりくねってるんだよ。
564頁
・でも、メイはウィリーとよりを戻せるんだろうか? 解説では、元に戻ることができるというような示唆があったけれど……。僕は、ウィリーが戻ったら、メイは死んでいるのだ、と思ったんだけれど、それよりも辛いことになっていたのには驚いた。安易じゃない道をちゃんと作者は準備していてくれたのだ。嬉しい限り。
ハーマン・ウォーク「ケイン号の叛乱」
- ケイン号の叛乱
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- アーチスト: ハンフリー・ボガート
- 発売元: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- レーベル: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- スタジオ: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006/08/04
- 売上ランキング: 68043
- おすすめ度
- ケイン号の叛乱
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- 発売元: フジ出版社
- レーベル: フジ出版社
- スタジオ: フジ出版社
- メーカー: フジ出版社
- 発売日: 1984/01
いやあ、面白かったですよ、「ケイン号の叛乱」。第二次大戦中の米海軍の旧式掃海駆逐艦「ケイン号」で起こった叛乱事件をモチーフにした戦争ドラマ。ケイン号という艦は実在しないし、実際に叛乱は起きていないのだが、ハーマン・ウォークが素晴らしい作品に仕立て上げている。
Amazonで調べてみると、なんと映画化されていて、ハンフリー・ボガードだという。これ、見てみたいですね。
二回に分けて感想などを。
・バウンティ号の叛乱や、ホンブロワーシリーズの叛乱も思い出させる。特にホンブロワーの影響は大きいなあ。艦長が強迫的で偏執狂とくれば、ホ ンブロワーの上官ソーヤー艦長をおもいだす。小説も読んだけれど、ドラマでも見ました。軍法会議の場面もホンブロワーの影響受けているなあ。でも、ホンブ ロワーのように単純明快に判決が下るわけではなく、検察側と弁護側の丁々発止のやりとりがあって、判決が下ると言う点は違う。ケイン号のほうがよりリア ル。
明日に続きます。
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今日のことを少し。
今日は早めに会社を出て図書館へ。今回も借りた本やっぱり全部読めなかったのですが、「ケイン号」を読めてからいいかな、と言う感じです。その後楽器屋さんへ。今週末、友人の結婚式でサックスを吹くのですが、譜面立てを持って行こうと思いまして、購入。税込み1029円でした。ちょっと重いのと嵩張るのが難点ですが、まあ致し方ないでしょう。今週末も頑張ります!
新国立劇場の「ばらの騎士」
- R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」
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- アーチスト: クライバー(カルロス)
- 発売元: ユニバーサルクラシック
- レーベル: ユニバーサルクラシック
- スタジオ: ユニバーサルクラシック
- メーカー: ユニバーサルクラシック
- 価格: ¥ 6,825
- 発売日: 2002/06/26
- 売上ランキング: 19530
- おすすめ度
次のオペラの予定は、6月9日、新国立劇場で「ばらの騎士」を観に行きます。
主なキャストはこちら。
【元帥夫人】カミッラ・ニールント
【オックス男爵】ペーター・ローゼ
【オクタヴィアン】エレナ・ツィトコーワ
【ファーニナル】ゲオルグ・ティッヒ
【ゾフィー】オフェリア・サラ
このうち、一番楽しみにしているのは、エレナ・ツィトコーワさんです。この方が歌うのを初めて聴いたのは2003年10月、新国立劇場でフィガロの結婚を見たとき。ケルビーノを歌われていました。オクタヴィアンとおなじズボン役ですね。この方の声、倍音が非常に豊かなのです。柔らかくのびがあってよい意味で太い声を出されるのです。この時のパフォーマンスのなかで一番光っていたのがこの方でした。今回はオクタヴィアンですから、聞き所満載ですね。楽しみです。
辻の字が変わった!
先だって、JIS2004準拠のフォントをWindows Updateで入手したら、システムフォントが変わったのだが、驚くべき変化が!
辻先生の辻の字、しんにょうにてんひとつだったのが、しんにょうにてんふたつに変わっています。
ほら、こんな感じに!
これは本当に感動だよなあ。嬉しい限り。
この字の方が日本語的には正しいらしい、とされているのだそうです。
詳しくはこちらへ。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061122/254684/
字形がJIS2004準拠となるフォントは、VISTAに載った「MS 明朝」「MS P明朝」「MS ゴシック」「MS Pゴシック」「MS UI Gothic」「メイリオ」だそうですが、XPでも使用可能なようです。
とはいえ、てんひとつのしんにょうの方々にとってはは少々困った話になりそうです。
二年ぶりのサックス
今日はリハをしてきました。二時間ほど新宿のスタジオにて。スタジオでサックスを吹くのは2年ぶりでした。サックスは音が大きいので、最近の練習(文化センターなどでの)では、無意識のうちにセーブして吹いていたようで、最初の一時間は、音が全然出てくれません。か細い、ボソボソした音が出るだけで、高音域はしおれた草のような音だし、ピッチも安定しない。曲が進んでいくに従って、気分は落ち込んでいきました。
五分ほど休憩して、Mistyという曲を吹いたのですが、そのときマイケル・ブレッカーがMistyを演奏した音が思い浮かんで、それに触発されてやっと楽器に音を吹き込むことができました。今日のリハでなんとか音的には復活の手がかりをつかんだ感じ。あとは、インプロヴァイズの質的向上ですね。まだイメージにフィンガリングがついて行かないのです。こればっかりは、練習しないと治らないです。できるだけサックスに触れて練習していくことと、できれば毎日EWIでインプロヴァイズの練習をする必要がありそうです。
ちなみに演奏する曲一覧。
Girl From Ipanema
Misty
That’s all
When you wish upon a Star
My One and Only Love
The Days of Wine and Roses
どれも難しいですが、頑張ります。
マーク・アントワンの「Cruisi’n」を聞いて思ったこと。
- Cruisin’
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- アーチスト: Marc Antoine
- 発売元: Grp Records
- レーベル: Grp Records
- スタジオ: Grp Records
- メーカー: Grp Records
- 価格: ¥ 2,585
- 発売日: 2001/06/19
- 売上ランキング: 193886
- おすすめ度
先だって取り上げたマーク・アントワンのアルバム「Cruisi’n」を聞いて思ったこと。特に4曲目のSierre Bellaを聴いて思ったことです。
たとえば、この曲のバックでコードを押さえている空間系シンセ音とか、ストリングスの対旋律とか、ハモンドが一瞬コードおさえていたりとか、正確無比なスネアとか、フロントギターの細かいリフとか、冒頭に一瞬登場する水が流れる音とか、コンガかボンゴの音とか、それ自体では端数的な意味合いしか持たないものが融合すると、ひとつの世界となってたち現れてくることの不思議さ。量的意味が質的意味に変換したというか、エラン・ヴィタールというか……。 そうした要素要素を直感的に配置する感覚も筆舌に尽くしがたい。こういう清涼感とか、空間的な広がりをユニット全体で表現することの難しさといったら途方もないな、という感じです。
フュージョンとか、スムーズジャズ(あるいはポップスとか……ひとくくりにすると商業音楽? 非古典的音楽?……でも同じだと思いますが※1)は、音韻情報だけではなく、こうしたハーモニーと音色が織り成す全体が重要だし、それを味わえるかどうか、がその是非を決定しますね。それは、作り手側によるところはもちろんのこと、聞き手側にも責任の半分はあると思います。これって、味わえない人がいたとしたらその人を責めているわけではなく、その人が生来持っている感覚に合致しないというだけのことです。僕が残念なことにロックを聞いてもそのよさを味わうことができないのと同じように、です。ビートルズの時代や、モダン以前のジャズではここまで全体の音色などが重要視されることはなかったと思います。
昔、サックス奏者の坂田明氏が「音楽作りは、絵を描くのに似ている。まず背景を何色にして、そこにどういう要素を加えていくのか、という点において……」ということを15年ほど前にテレビで語っていたのを思い出したのですが、現代の商業音楽、フュージョンとか、スムーズジャズだけではなく、ポップスなんかの音の作り方はまさにそういう作りなんでしょうね。おそらくは、「絵を描くように」、サウンドを重ねたり、付け加えたり、効果をかけたり、という過程が、演奏局面と同等かそれ以上に重要なんだと思います。だから、プロデューサの役割というのが大きいのだと思います。
そういう意味では、こういう音楽の作り手さんって、本当にすごいと思います。 ちなみに、こういう音を素人が演奏すると聞いていられない音になってしまうことが多いです。第一に技巧的な面で。リズムがそろわないのが致命的。第二に編集作業を入れにくいから(もっとも今はDAWソフトが進化しているから、玄人はだしの素人さんはたくさんいるんだと思うけれど……)。
それでも果敢に挑戦したことがありましたが、私が足を引っ張ってしまっていたのでした。とほほ。 音楽は難しいです、本当に。才能のある人にとっては、これほど自分を表現するのに有効な手段はないと思うのですが、そうでない私にとっては、もどかしさと歯がゆさが常につきまといますね。
※1 こういう音韻情報以外に全体の音色感、響和感が顕著になってきたのは70年代後半以降のシンセサイザーの導入以降でしょうか。あるいは、マイルスがエフェクターかけ始めた頃、とか、そう言う感じ。
明日は4年ぶりぐらいにやるバンドのリハーサルです。けっこう緊張しますね。ちゃんとテーマを吹けるのか、ソロをとれるのか、少し不安です。
辻邦生「モンマルトル日記」
今日は午後から雨でした。お昼を回ってすぐの頃、西の空から灰色の渦巻く積乱雲が近づいていきました。途端に遠雷がきこえ始めたのですが、幾ばくかも経たないうちにコンクリートの駐車場に雨模様が現れ始めました。空は光り、雨音は激しく、雷鳴がとどろき渡るさまを、ガラス越しに眺めていたのですが、なんだか気分は晴れ晴れしてきた感じです。雷雨という非日常をガラス越しに見遣るのは気分の良いものです。それは窓の外に出ることがないと保証されているからでしょう。
昨日から、辻邦生師の「モンマルトル日記」を再読始めました。辻邦生師がパリでどんなに厳しい思いで思索を試みていたのか、と思うたびに、痛切なまでに感歎と畏敬を覚えずにはいられません。
ピアニストがピアノを叩き、レスラーが身体をきたえ、左官屋が壁土をこねること以外、何一つ考えなくてよく、考えないでいるのと同じく、物語作家にとってレアリテはただ一つ「強烈な感情」を自分の中につくるということである。二十四時間このことだけに集中するのである。「強烈な感情をつくること、吐きだすこと──
辻邦生『モンマルトル日記』集英社文庫、1979年、136頁
この石で固められた硬い都会(まち)に、自分をとぎに来たのである。この都会の硬さは、あらゆるにせもの、いんちき、つけ焼刃を、すべて残酷にはぎとってしまうどうしようもない真実さがある。ここでは生と死の境界のような、人生のぎりぎりの本ものがある。一人一人がそうしたもので生きている。労働者は労働者なりに、娼婦は娼婦なりに、この硬さ、この殻の不敵さで生きている。それは打ちやぶることはできない。(中略)いい加減なものは絶対にうけ入れない。甘さなど微塵もない。一流中の一流の才能がやっと残り、そしてそれでさえすぐさま滅び去ってしまう。(中略)うそはだめであり、自己満足はすぐ窒息する。ただ真に「よきもの」に達したものだけが、この硬さと同じ硬さを持って生きはじめる。
辻邦生『モンマルトル日記』集英社文庫、1979年、133頁
本当に厳しい文章です。本当に辻先生は強い方です。このときには、既に「夏の砦」や「廻廊にて」は既に世に送り出されていて、「嵯峨野名月記」で苦しんでいる時分なのですが、こういうことを考えていらしたわけですね。これを読むと、もっと強くなければならない、と思うことしきりです。 もちろんあまり自分を責めるのはよくはないのですけれど。
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