離脱したが、明日も仕事である。そして、明後日は日帰りで博多である。次の日は「アラベラ」。大丈夫なのか?
無性に、ピン・ポン・パンの三人の歌が聴きたくなりました。この三人、アルトゥム皇帝に使える大臣たちです。そう、「トゥーランドット」に登場する名脇役たち。
二幕の前半、三人が歌い重なるのですが、まあ、これはサイドストーリなので、あらすじからみて、そんなに重要ではないわけですが、私は、この三人の歌が大好きだったりします。夢見心地に、早く故郷に戻って、悠々自適な生活を送りたいぜ、ってかんじで、夢物語を紡ぎ続けるんですが、その音楽がすごく心地よい。まあ、これって、結局、自らの願望だったりするのかしら、みたいな。
プッチーニは、こういうサイドストーリーも当然手は抜きませんなあ。夢見心地で、帰宅しました。
でも、明日もがんばらねば!
ピンポンパンで癒されていきたい。
つれづれ
なんら文化的活動をしていない私。唯一読書のみ。
でも、いよいよ来週月曜日はアラベラです。さらっと確認したネット上の意見は分かれているように思われます。あまり見ないことにしてますけれど。私は、ウルフ・シルマーの鋭敏な指揮が大好きですので、今回も期待しています。久方ぶりの新国立劇場はいかがなものでしょうかね。
ちなみに、来週末は「フィガロの結婚」です。こちらも楽しみですが、予習しないとなあ。どうもモーツァルトのオペラを楽しむまでには習熟していないので。やはり後期ロマン派以降が好みなんですよね。
などといいながらも、昨夜はバッハを聴きながら「居眠り磐音」三昧でした。
ともかく、更新せねば。
今週末は、日帰りで博多です。
シノポリ盤「ナクソス島のアリアドネ」
うーむ、充実しているのだが、仕事も下半期が始まったとあって忙しい。この不景気にあってはありがたいものです。
シュトラウスの「町人貴族」が楽しくて楽しくて仕方がありません。これ、以前にも書いたとおりです。その影響で、聴いているのが、シノポリ盤「ナクソス島のアリアドネ」です。
Wikiによれば、編成はほとんど同じで36人程度。ヴァイオリン6、ビオラ4、チェロ4、コントラバス4。それで、この豊穣な響き。
「町人貴族」から独立した「ナクソス島のアリアドネ」は、1916年に初演されています。第二部のギリシア悲喜劇の部分の最初で、驚くほど調性感のない、長調と短調が入り交ざった部分が出てくるのですが、何ゆえかベルクっぽくて、すごくカッコいい。その後のアリアドネの詠歎の広がりとか膨らみかたがすばらしい。
このCD、すごく録音がよいのです。ケンペの「町人貴族」と同数の編成とは思えないぐらい。もしかすると、シノポリがあえて厚くしているのかもしれませんが。
濫読な日々
9月に読んだ本一覧ですが、16冊にもなってしまった。こんなに娯楽本ばかり読んでいて良いのか? 現実逃避ではないのか? まあ、でも、ゲームにのめり込んだり、賭事や、アルコールに費やさないだけ許してくだされ。
まあ、大事なのは冊数ではないんですけれどね。
「メデューサの嵐」はすごかったですよ。最後の瞬間、荒唐無稽だけど、冷静に考えればあり得る解決法。度肝を抜かれました。
来月もたくさん読めると良いのですが、仕事がエラく忙しくなりますので、ちょっと不安。
期間 : 2010年09月
読了数 : 16 冊 |
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ジョン・J・ ナンス / 新潮社 (2000-01)
読了日:2010年9月30日
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ジョン・J・ ナンス / 新潮社 (2000-01)
読了日:2010年9月29日
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高橋 克彦 / 講談社 (1995-10-04)
読了日:2010年9月25日
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本・雑誌 |
ウイリアム ホッファー , マリリン・モナ ホッファー / 新潮社 (1990-12)
読了日:2010年9月27日
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高橋 克彦 / 講談社 (1995-10-04)
読了日:2010年9月24日
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高橋 克彦 / 講談社 (1995-09-06)
読了日:2010年9月22日
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伊吹有喜 / ポプラ社 (2010-02-16)
★★★★☆ 読了日:2010年9月21日
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高橋 克彦 / 講談社 (1995-09-06)
読了日:2010年9月18日
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高橋 克彦 / 講談社 (1995-09-06)
読了日:2010年9月16日
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グレアム グリーン / 早川書房 (2006-10)
★★★★☆ 読了日:2010年9月14日
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佐伯 泰英 / 双葉社 (2002-07)
★★★★☆ 読了日:2010年9月11日
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佐伯 泰英 / 双葉社 (2002-10)
★★★★☆ 読了日:2010年9月11日
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日本航空・グループ2010 / 文藝春秋 (2010-03-17)
読了日:2010年9月11日
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佐伯 泰英 / 双葉社 (2002-04)
★★★★☆ 読了日:2010年9月9日
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ブラッド・メルツァー / 角川グループパブリッシング (2009-03-26)
★★★☆☆ 読了日:2010年9月4日
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ブラッド・メルツァー / 角川グループパブリッシング (2009-03-26)
★★★☆☆ 読了日:2010年9月4日
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ケンペ/シュトラウス 組曲「町人貴族」
いやあ、シュトラウスって、本当に素敵です。
組曲「町人貴族」を、ケンペ指揮にて。
もともとは、「町人貴族」は、「ナクソス島のアリアドネ」を劇中に含む作品として発表されました。1912年のシュトゥットガルトにて。シュトラウスの指揮によって初演されましたが、「ナクソス島のアリアドネ」の後半部分にあたる、劇中劇の部分が荒唐無稽と言うことで、不評の内に終わりました。あの、アリアドネとツェルビネッタのかみ合わない感じが、今ひとつだったのでしょう。
というわけで、シュトラウスは、劇中劇の「ナクソス島のアリアドネ」の前半に新しく曲をつけて、これを「ナクソス島のアリアドネ」第二版ということで、発表しました。これは、成功裏に終わり、現在も上演されているのは申すまでもありません。
一方で、「ナクソス島のアリアドネ」の部分を除いた「町人貴族」の部分は、劇付随音楽として1917年に補筆改訂されました。さらに、そこから9曲を抜き出したのが、今日、私が聴いている組曲「町人貴族」というわけです。
この曲、当然ですが「ナクソス島のアリアドネ」と響きが同じ。それは、ピアノも加わる小編成のオケの洒脱な感じ。ですが、シュトラウスの複雑で玄妙な和声の波をも楽しめるもの。極端に美しさに偏ることなく、ユーモアやウィットに富んだ軽妙な音楽です。
この曲を集中的に聴いたのは初めてかも。お恥ずかしい。今日聴いているのはケンペがシュターツカペレ・ドレスデンを振っているものですが、ラトルがベルリンフィルを振った音源も持っていますので、そちらも聴いてみましょう。
久々に、シュトラウスの音楽を新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。まだまだ、聴いていない曲はたくさんあるからなあ。がんばろう。
燃料切れ飛行機の生還
いやあ、恐ろしい。来月早々、飛行機に乗る予定ですが、恐ろしくなってきました。
「高度41,000フィート 燃料ゼロ! 」という本の中のエピソードです。ヤード・ポンド法からメートル法へ切り替わってまもないカナダにおける、信じられないミス。当時最新鋭だったボーイング767の燃料計の破損が幾重ものエラーチェーンを生み出し、なんと、目的地半ばにして燃料切れを起こすというストーリー。都内への出張時間を利用して、一日で読み干しました。すごかったですよ。。。
一番の白眉が、この着陸シーン。度肝を抜かれます。ドキュメンタリー番組がYou tubeにあがっていて、二週間ほど前、遮二無二&刮目して見ました。これ、操縦するものにとっては、信じがたいぐらいの神業なんですよねえ。
繰り返しになりますが、まあ色々原因があります。燃料計の故障からはじまり、ヤード・ポンド法からメートル法への切り替えにきちんと対応できていなかったことや、ボーイング767から、従来の三人乗務機から二人乗務機となり、責任所在が不明確になってしまったこと、その他様々な偶然……。
この本は、そうした、事故の背景から、事故機に乗り合わせた多くの方々への丁寧な取材が巧くまとめ上げられた秀逸なノンフィクションです。上述のYoutubeの動画の最後のあたりににわかには信じがたい驚異の映像があります。飛行機ってこんなに動けるんだ、みたいな。
最終的には、全員が奇跡的に助かるというハッピー・ストーリーではあるのですが、これを読んでしまうと、恐ろしさが先に立ちます。
それにしてもキャプテンのピアソン氏はすごいですよ。偉大すぎる。
ところで、昨今の航空事故事情ですが、百万フライトで、数件しか全損事故は起きてはいません。また、旧東側や発展途上国の航空会社で事故が多いというデータもありますので、航空会社を選べば、事故に遭う確率をさらに下げることが出来ましょう。
また日本の航空会社の死亡事故はこの十数年間は起きていません。
一番最近の死亡事故は、(wikiによると)日本航空MD-11型機が1997年に乱気流に巻き込まれ客室乗務員一名が亡くなったという事故以来のはず。これは、乱気流という原因もありますが、MD-11という飛行機の特性もあるようです。この飛行機は操縦するのが難しいのです。戦闘機的な設計思想で作られているそうです。ですから、旅客型MD-11はほとんど姿を消しました。また、昨年、成田空港でMD-11が着陸に失敗し、成田空港初の全損事故となったのも記憶に新しいところ(MD-11は危険です)。
また、私がよくお世話になっていた全日空でいうと、最後の死亡事故は1971年の雫石上空における自衛隊機との空中衝突事故以来ありません。
ちなみに、来月搭乗する機種は、ボーイング777とボーイング747-400。
ですので、来月のフライトはきっと安全で楽しいものとなりましょう。楽しみです(って、すこし不安だけど)
カイルベルトの振る「アラベラ」を聴きながら
今日もアラベラと高橋克彦な一日。幸せでござった。なーんて、歴史小説ばかり読んでいるので、なんだか、文章もそういう風情になってしまう。
アラベラの最終部分が美しくて惚れてしまった。聴いているのはカイルベルトが1963年にミュンヘンで振ったもの。アラベラはリサ・デラ・カーサで、マンドリカはフィッシャー=ディースカウ。ディースカウはまだまだ若々しい声。これから円熟していくんだろうなあ、という感じ。
この盤は、ステレオ収録なのですが、音質がいまいち。でも、それをも凌駕する洒脱さで、私は大好きです。
アラベラの初演は1933年7月1日。ナチスの政権奪取が3月なので、その後の政治的暗雲の立ちこめる時代でした。
ユダヤ人音楽家が追放されていて、フリッツ・ブッシュもドレスデンを去っていました。ナチス政権と対立したからだそうですが、詳しい事情は調査中。英語、ドイツ語のwikiにも詳しい状況は載っていません。
シュトラウスは、ナチス政権とやり合いながらなんとか初演にこぎ着けたのだそうです。初演の指揮はクレメンス・クラウス。シュトラウス晩年の良き理解者であり協力者ですね。初演会場はもちろんドレスデンのゼンパー・オーパー。
ワクワクしますねえ。続きは明日。
あと、面白い出来事。夜に、イギリス人と話す機会があって、オペラの話になりました。
彼も少しオペラを知っているらしく、「ワーグナーはヘビーすぎてどうもねえ。年取ると、集中力がなくなってくるからきついんだよねえ」なんて、言ってました。
で、日本人と欧州人の声の違いの話をしていました。市井の欧州人でものすごくrichでdeepな低音の持ち主が居るじゃないですか。あれにはかなわないなあ、とひたすら主張してみる。
彼もやっぱりrichでdeepなバスの声で、凄く良い声してますね、っていったら、それはstoutだからじゃない? って。まあ確かにそうだなあ。でも、日本人の巨漢が、必ずしも良い声の持ち主とは限らないしなあ。
昔どこかで読んだのですが、日本人は低い声は悪者の声だと聴く風情がある。赤ずきんちゃんに登場する狼の声って、みんな低い声で朗読するじゃないですか。
それから、日本人はおべっか使ったり、へつらったりする時って、高い声になる。あれも、不思議。やっぱり、高い声のほうがいいんだろうなあ。
でも、西欧では、低い声であっても必ずしも悪ではない。マルケ王もヴォータンも悪者ではないですし。
話は尽きぬなあ。。。
三ヶ月ぶりの新国立劇場
新国立劇場のオペラ・トークに行ってきました。
楽しかった。一時間半があっという間でした。
っつうか、カバー歌手の方が歌を披露されたんですが、間近で聴いたのも相まって、ものすごく感動しました。歌手の方が素晴らしいのはもちろん、シュトラウスの偉大さを改めて思い知りました。
増田のり子さん、萩原潤さんが、アラベラとマンドリカの二重唱「あなたは私との結婚を望んでおられると」を歌ったんですが、増田さんはアラベラの高貴な性格を巧く表現していたし、萩原さんも力強い歌唱で、涙が出るぐらい。
あとは、フィアッカミッリの吉原さん。あんなに小柄なのに、高くて光沢のある声。目の前で、あのコロラトゥーラは迫力満点でした。
オペラで泣いたのは半年ぶりぐらい。やっと感覚が戻ってきました。
解説をされた一橋大学の田辺教授のお話も実に興味深く勉強になりました。内容は週末にまとめます。
高橋克彦「炎立つ」
高橋克彦「炎立つ」の第三巻読了。この作品は、1993年の大河ドラマの原作となったものです。高橋克彦氏は、私が中学生のころから敬愛してやまない作家のお一人。中学生当時、NHKの歴史ドキュメンタリー番組に出ていらして、謎の仏像の出自を明らかにする氏のお姿がめっぽう格好良くて、こういう仕事に就ければいいなあ、と漠然と思っていたりしました。
それで、当時手に取った「竜の柩」は、歴史は歴史だけれど、オカルト的な歴史物語でして、そこで繰り広げられる古代史推理にも舌を巻いてしまったのでした。古代日本からメソポタミアにまで広がる古代史の謎。多感な中学生には相当な刺激でした。嘘と知りながらも、日本にキリストの墓があると言うことを信じたくなる本でした。いまでも10%ぐらい信じているかも(冗談です)。
かたや、この「炎立つ」では、そうしたオカルト的な部分は鳴りを潜め、正当な歴史小説として楽しむことができます。これまでの通常の史観だと、源氏は正義の味方で、東北を支配する安部氏が悪者である、というような偏ったものであるわけですが、「炎立つ」ではまったく逆の史観で、実に新鮮なのです。これを読むと、源頼義や源義家のほうが分が悪く読めてしまう。
前九年の役とか後三年の役で、源義家が並々ならぬ働きを見せたのが、後世に伝わって、義家こそ武士の誉れ高い英雄として大きな影響を残すことになるのですが、具体的な事績を小説上でなぞるのは実に興味深いです。
第三巻までは前九年の役が取り上げられ、安部氏では滅亡となりますが、第四巻では、安部と藤原経清の血を引く藤原清衡が奥州藤原氏として復権します。これが後三年の役。第五巻では源頼朝に撃ち滅ぼされるというこれまた悲劇。
大河ドラマでは、少ししか見られませんでした。でも、私の中では藤原経清は渡辺謙以外にあり得ません。安部頼時は絶対に里見浩太朗です。そして、どうしても源義家は佐藤浩市になってしまう。源頼義は絶対に佐藤慶。安部宗任は川野太郎で、安部貞任は絶対に村田雄浩で、そのほかは考えられない。映像の持つ力は恐ろしい。というか、絶妙なキャスティングだったのでしょうね。原作とは違うところが多いようですが、もう一度観てみたいものです。
つれづれなるままにひぐらし
連休は、かなりハードなスケジュールで、結局最終日は完全休養日となってしましました。いろいろやりたいことはあったのですがかなわず、というところ。残念。
でも、一昨日に書いたように、この連休の土曜日に、大学時代からお付き合いのある先輩・後輩のジャズライヴに行けて、とても楽しかったのでした。演奏もすばらしいのですが(あんなにキーの難しい曲を美しく吹けるなんてすごい)、久々に会社外の人と話をして、すごく充実したひと時でした。私が勝手に充実していて、ほかの方には迷惑だったかもしれませんけれど。もう17年ぐらいの知り合いなんですが、何時まで経ってもみんな年を取らない。僕だけ歳を取っているのかも。
ライヴの往復の道すがら聞いていたのは、ザルツブルク音楽祭2010年の「ルル」でした。これも一昨日に書いたとおり。
日曜日は、久々に寝不足だったものの、実家に行って、iPodの楽曲をPCに落としたり、iPad購入相談に乗ったり。帰宅したのは22時ごろでしたが、あまりに疲れていて、2時ごろまで寝付けませんでした。何時まで経っても、枯れ葉のコード進行がぐるぐる回っていて、何度も何度も頭の中でソロを取っておりました。なんだか久しぶり。
また、ひとつ思い出したこと。ジャズサークルに大学一年に入りましたが、その冬ごろ、勉強に集中しようと思って、一時期楽器を吹かない時期があったんですが、数ヶ月間の間、抜け殻のようになってひどく辛かったのですね。それで、やっぱり、楽器がないと生きていけない、と思って、また楽器を始めたら、けろっと回復してしまいました。そんなことがありましたねえ。もう17年前のこと。だから、なおさら、楽器の再開をせねばならぬ、と思う次第。しかし、ハードルは高いなあ。EWIがんばろう。